友のブログを読んで興味をそそられ、ウェブをみていて興味をそそられ読んだ本二つ。
『複合汚染』は、1974年10月から1975年6月まで朝日新聞朝刊の小説欄に連載されていた、昭和20年代から40年代の日本に起こっていた出来事。今読んでも本当に、考え方を教えられる本。ぜんぜん昔話じゃない。DDT、PCB、BHC、ABS、日本の歴史を知ることにもなった。エコロジーって言葉も登場してて、へーこの頃にはもうある言葉なんだと思った。2009年の今は、畑の土や野菜や果物ってどうなっているのだろうか。川はまだまだ遠い存在だ(きっと魚好きだったらもっと身近に感じていると思う)。まだ水銀はたっぷり沈んでいるのだろうか。3年後に出てる『複合汚染その後』という本もあるらしいことを知ったので、それも読むつもり。
『くう・ねる・のぐそ』は、2008年に出た本。内容は35年間自分の排泄物を土に埋める「道」(糞土師というらしい)を極めていくその様子が書かれてる。最後の最後で自分のだしたモノが土に還った状態になった後で、という注釈つきだけど、それを食べちゃったというくだりでちょっとクラっとしなくもなかったけど、複合汚染でご隠居さんも庭で人糞を堆肥化させているし、ウンにはそんな栄養が、使い道があるんだやっぱり(伊沢さんを信じていなかったわけではなかったけど)と思い、地球にいいことやってていいなと思った(なんだろ。うまく書けないけど、自然にとけ込んでて、地球にお返しができてて、生きてるっていう手応えがありそうでうらやましい)。
もちろん、庭のある家でもないので(近代化のもたらした自然が遠いとても狭い集合暮らし)、のぐその習慣を真似ることはそうそうできないしヒルや蚊との熾烈な戦いもしたくないしやらないと思うけど、自分はどうすればいいのかなぁと。どうしたら循環の輪の中に組み込んでいけるのかしらと(伊沢さんとは別のやり方で)。
ただ、これらの本を読んだ後、自然がいっぱいの場所をドライブ中にただよってくる動物の糞の強烈な臭いに対しては、「アレがあるからおいしい食べ物をいただけているんだ!ありがとう!」と叫びながら、感謝しながら通り過ぎるようになった自分がいた。以前は「クサイクサイ」を連発して、窓を閉めても入ってくる臭いをただ疎んでいた。かなりの変化だと思う。文字情報でしかまだ知らないことけど、でも知れてよかった。
もう昭和40年のおわりには食料自給率43%になっていた。飼料の方はもっと低い。この30年間そんなに状況は変わってなかったんだなと思う。
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